昨年は悪天候のせいか裏年のためか収穫量が少なかったのですが、
榧の木は順調に育っており、
今年は例年よりもたくさんの実を収穫することができています。
残暑が厳しくまだまだ暑いなかの作業は大変ですが、
榧の木のまわりでは爽やかな榧の実の香りがほのかに漂い、
暑さを和らげてくれている気がします。
朝から拾った榧の実を持ち帰り、
昼からはすぐに緑色の果肉と中の種子とに分ける作業に取りかかります。
緑色の果肉は精油や香水に使い、種子は油を搾ったり、焙煎してナッツにします。
榧の果肉は時間が経つと緑色から茶色く変色していくのですが、
爽やかな香りは緑色の果肉でないととれません。
そのため、榧の実の香りをとるためにはスピードが大切で、
持ち帰ったその日にすぐ実を剝いて果肉と中の種子に分け、
果肉の鮮度が落ちないようにして保存しています。
こうしてすぐにここまで作業できるのも、自分たちが榧の森を育てているからこそ。
榧の実のフレッシュな香りをお届けできるのは、
自分たちにしかできないことなのかもしれません。
一つひとつ手作業で剝いていくため、とても時間のかかる大変な仕事ですが、
部屋中に広がった榧の実の香りは本当に良い香りで癒されます。
榧の実の香りに包まれて、仲間と話しながら果肉を剝く作業もなかなか楽しいものです。